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自己株式取得 | 日本取引所グループ

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Academic year: 2018

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(1)

平成 13 年 9 月 25 日 東京証券取引所

金庫株の解禁に当たっては、自己株式の売買に伴う相場操縦等により、市場の公正性・健全性が損なわれないよう万全の措置が必要との観点から、証 券取引法第 162 条の 2 が新設され、具体的な要件を規定した「上場等株券の発行者である会社が行う上場等株券の売買等に関する内閣府令」(以下、自 己株式取得内閣府令という。)が 10 月 1 日に施行されることとなる。

以下は、今般の自己株式取得内閣府令の概要(取引所取引に限る。)に加えて、それに伴う事前公表型の自己株式取得の取扱い、「自己株式取得に関す るガイドライン」の取扱い、について取りまとめたものである。

項目 内 容 備考

Ⅰ.自己株式取得内閣府令 について

1.対象取引等(第 1 条)

自己株式取得内閣府令では、相場操縦等の防止に万全を期すため、買付 けにおいて遵守すべき一定の要件が定められている。したがって、当該内 閣府令を遵守することにより、自己株式取得に係る取引の公正性が確保さ れるとともに、相場操縦等への懸念が軽減され、円滑な自己株式の買付け が可能となるよう期待されるものである。

① 発行会社による自己株式の買付け等

② 信託会社等が信託契約に基づき発行会社の計算で行う自己株式の買付 け等

③ 投資顧問業者が投資一任契約に基づき発行会社の計算で行う自己株式 の買付け等

④ 証券会社が取引一任契約に基づき発行会社の計算で行う自己株式の買 付け等

⑤ 証券会社による上記取引の受託等

・ 当該内閣府令は、これに違反した場合に は過料が課せられるなど、自己株式取得 を行ううえで遵守すべき新たな規制と しての位置付けになります。なお、証取 法162条の2の規定は「相場を操縦する行 為を防止する」ことを目的としており、 当該内閣府令の要件も米国のセーフハ ーバールールを参考にして、相場操縦と されるおそれの少ない取引態様を類型 化したものとされており、これを遵守す ることにより取引の公正性が確保され ると考えられています。

・ 具体的な要件について定めはない。

(2)

2.買付けの要件(第 2 条)

( 1) 証券会社の数

(第 1 号)

( 2) 買付け等の注文の 時間(第 2 号)

( 3) 買付け等の注文の 価格(第 3 号)

1日に2以上の証券会社を通じて買付け等を行わないこと。

買付け等の注文を立会終了 30 分前以降に行わないこと(あらかじめ直前 30 分間に買付けを行うことを約した注文は、直前 30 分間に行われたものと みなされる。)

① 始値決定前(寄付き前)

・ 指値注文によること

・ 前日の最終の売買の価格(最終気配値段を含む。)を上回る価格で行 われないこと

② 始値決定後(寄付き後)

・ 指値注文によること

・ 直前の売買の価格(特別気配値段を含む。)を上回る価格で、反復継 続して行われないこと

・ 買付けの委託時における当日の高値を上回らないこと

・多数の証券会社を通じて行われると、売買 が繁盛であるとの誤認を与える可能性が あるため、1社に限定している。

・午後立会(半休日の場合は午前立会)の終 値は、種々の基準値段として使用されてい ることから、終値形成に係る時間帯の関与 を禁止している。

・当日初めて成立する売買は、その後の株価 の推移に影響を及ぼしやすいと考えられ、 前日終値よりも相場を高めに誘導するこ とを防止するために限定している。

・前日に売買の価格及び最終気配値段いずれ もない場合は遡る。(以下同じ)

・配当落ちや権利落ちの日の場合は、当該配 当金額等を控除した価格を基準とする。

・直前の売買価格を上回る価格で反復継続し て買付けを行うことは、相場操縦を疑わせ る形態の一つであるため制限している。

・流動性が低い銘柄の買付けが困難となるこ と等のないよう、反復継続せず、かつ高値 を上回らないかぎり、直前値段を上回って

(3)

( 4) 買付け等の注文の 数量(第 4 号)

3.発行会社以外の者によ る買付けの委託等

(第 5 条)

4.買付けの名義(第 6 条)

一日の買付注文の数量が、以下の①又は②のいずれか多い方の数量を上 回らないこと。(売買高からは立会外売買分を除く。)

① 買付日の属する週の直前 4 週間の一日平均売買高の 25%

② 買付日の属する月の直前 6 か月の月間平均売買高の区分に応じ、以下の 数量。

a. 月間平均売買高 400 売買単位以上

10 売買単位と直前 4 週間の一日平均売買高の 50%(3 売買単位 を下回る場合は 3 売買単位)のいずれか少ない数量

b. 月間平均売買高 200 売買単位以上 400 売買単位未満

5 売買単位と直前 4 週間の一日平均売買高の 50%(3 売買単位を 下回る場合は 3 売買単位)のいずれか少ない数量

c . 月間平均売買高 200 売買単位未満 3 売買単位

・発行会社以外の者が、契約等に基づき発行会社の計算で行う自己株式の 買付けの場合は、当該発行会社以外の者が上記2の要件を満たす必要が ある。

・発行会社以外の者が要件を満たすことにより、発行会社も要件を満たし たものとされる。

自己株式取得を行う場合は発行会社の名義(信託契約に基づく自己株式 取得の場合は当該信託銀行が自己株式取得を行う旨を証券会社に明らかに する。)によることとする。

・ 売買が繁盛であるとの誤認を与えるこ とのないよう、海外の例を参考にしなが ら、量的な面から制約を課している。

・ ただし、流動性が低い銘柄の買付けの機 会を過度に制限することのないよう② により最低買付可能数量を定めている。

・ 信託銀行等を通じた自己株式取得の場 合は、実際に買付けを行う当該信託銀行 等が委託等を受けた要件につき、本内閣 府令を遵守する必要があり、発行会社は 当該要件については免責される。

・不正取引の温床となる仮名・借名による買 付け等を防止している。

(4)

5.取引の公正の確保のた め適当と認められる方法

(第 7 条)

Ⅱ.事前公表型の自己株式 取得の取扱い

1.対象取引

以下の要件を満たすもので、証券取引所が定めるものについては、取引の 公正の確保のため適当と認められる取引方法として、上記2及び3は適用 されない。

① 前日の最終の売買の価格を上回らない価格の指値によること

② 事前公表を行うこと(価格、数量、その他投資者の参考となるべき事 項)

③ 株主間の公平が確保される方法によること

④ 当該買付け日においては当該方法のみによること(ただし、事前公表 の数量に満たなかった場合は、当該満たなかった数量の範囲内で他の 方法による買付けが可能)

事前公表型の自己株式取得は引続き行うことが可能であり、本内閣府令 に定める要件にしたがって行うことで、取引の公正の確保のため適当と認 められる方法として位置付けられる。

本内閣府令第 7 条における「証券取引所が適当と認める方法」とは、「東 証市場を利用した自己株式取得について」(平成 11 年 1 月 19 日東証株総第 3 号)に掲げる以下の取引方法とする。

① 事前公表型のオークション市場における買付け

② 事前公表型の ToSTNeT- 2(終値取引)による買付け

(5)

2.これまでの取引方法と の違い

Ⅲ .「 自 己 株 式 取 得 に 関 す るガイドライン」の取扱 い

Ⅳ.施行日等

なお、上記の事前公表型の自己株式取得については、本内閣府令に伴い、 以下の 2 点についてこれまでとは異なることとなる。

① 事前公表型のオークション市場を利用した買付けの場合、成行注文に より行うことはできず、前日の最終価格以下の指値に限られること

② 事前公表型の買付け日には、原則として当該方法のみによること(た だし、事前公表の数量に満たなかった場合は、当該満たなかった数量 の範囲内で他の方法による買付けが可能)

・平成 10 年 12 月 15 日に公表した「自己株式取得に関するガイドライン」

(東証売審第 46 号)は、自己株式取得を実施する会社が、相場操縦等の 規制の趣旨を踏まえて適切に買付けを行うことができるよう環境を整備 する観点から取りまとめたものである。

・このうち相場操縦行為に関する部分は、弊所が主に注視している一連の 行為形態を掲げたものとなっており、自己株式取得を実施する会社が、 相場操縦のおそれを招くことなく買付を行うための一つの目安として利 用されることを目的としたものであるが、今般の内閣府令施行後は、基 本的には当該内閣府令に抵触しないよう買付けが行われる必要がある。

・なお、上記ガイドラインにおいてのみ記載されている事項(決算期前の 買付け、ファイナンス期間中の買付け等)については、今後ともご留意 ください。

・ 自己株式取得内閣府令は、本年 10 月 1 日の改正商法施行に伴い、金庫 株の規定を根拠(改正商法第 210 条もしくは第 211 条の 3)として行わ れる自己株式取得に対して適用される。

・ 当該満たなかった数量の範囲内で行う 他の方法による買付けは、上記Ⅰ.2の 要件を充足する必要がある。

(6)

・ ただし、次期決算期に係る定時総会の終結の時までの間は、経過措置と して、旧商法及び株式消却特例法に基づく自己株式の買付けが認められ ているため、当該期間におけるこれら金庫株の規定を根拠とした買付け 以外の自己株式の買付けについては、自己株式取得内閣府令の適用対象 外となり、また、上記Ⅱ及びⅢの取扱いも従来どおりとなる。

以 上

・ 改正商法施行日前の最終決算期に関す る定時総会においてストック・オプショ ン等のため及び利益消却のための自己 株式取得の決議がされたときは、その授 権の範囲内で、株式消却特例法に規定す る定款の定めに基づく取締役会決議に よる自己株式の取得も、次期決算期に係 る定時総会の終結の時まで可能である。

(ご注意)本資料は、平成 13 年 9 月 25 日現在予定されている法令等諸制度をもとに、弊所上場企業の円滑な自己株式取得に資するよう取りまとめたものです。本資料の「Ⅰ.自己株式 取得内閣府令について」及び別添 1、別添 2 は、平成 13 年 10 月 1 日施行の「上場等株券の発行者である会社が行う上場等株券の売買等に関する内閣府令」をもとに、その概要を取 りまとめたものであり、詳細については各条文をご参照いただきますようお願いいたします。

(7)

買付け等の注文の価格の規定と具体的な例について

始値決定前(寄付き前) 始値決定後(寄付き後)

【例1】通常の場合 【例2】前日が特別気配で終了している場合

前日の最終の売買価格を上回る指値注文を行 ってはならない。

前日の最終の売買の価格には、最終気配値段が 含まれるため、立会終了時に特別気配が表示され ている場合は当該特別気配値段が基準となる。

買付けの委託時の高値を上回らず、かつ直前の売 買の価格(特別気配値段を含む)で反復継続して上 回らないこと

▼ 前日

午後 3 時(立会終了時) 1, 000 円

▼ 買付日

⇒ 1, 000 円以下の買い指値

▼ 前日

午後 2 時 50 分 1, 000 円(取引成立) 午後 3 時(立会終了時) 1, 020 円買特別気配

▼ 買付日

⇒ 1, 020 円以下の買い指値

【例3】前日に売買価格等がない場合 【例4】権利落ち・配当落ちの日の場合 前日に売買価格も特別気配値段もない場合に

は、直前の売買価格等に遡る。

権利落ち・配当落ちの日の場合は、最終の売買 の価格から、権利落ち分や配当金額を控除した価 格が基準となる。

▼ 前々日

午後 2 時 50 分(最終売買価格) 1, 000 円

▼ 前日

(売買価格も特別気配値段もなし)

▼ 買付日

⇒ 1, 000 円以下の買い指値

▼ 前日(基準日の 3 取引日前)

午後 3 時(立会終了時) 1, 000 円

(1 対 2 の株式分割 → 1, 000 円× 1/ 2 に修正)

▼ 買付日

⇒ 500 円以下の買い指値

▼ 直前の売買価格 1, 000 円 当日の高値 1, 010 円

⇒ 高値の 1, 010 円を上回らず、かつ、直前値段の 1, 000 円を反復継続して上回らないこと

【注文状況と買付可能注文】

原則として直前の売買価格が基準となるが、流 動性の低い銘柄の買付が困難となること等のない よう、高値を上回らず、かつ、反復継続しないこ とを条件に買付けが可能である。

  売り注文    買い注文 1, 000 株 1, 011 円

15, 000 株 1, 010 円 直前値段を上回っても 8, 000 株 1, 009 円   高値を上限に反復継続 10, 000 株 1, 005 円    しないかぎり可能

1, 000 円 3, 000 株 999 円 1, 000 株 998 円 3, 000 株

(8)

買付け等の注文の数量の規定と計算方法等について

▼ 一日の買付注文の数量は、以下の基準数量1又は基準数量2のいずれか多い方の数量を上回ってはならない。

基準数量1 基準数量2

買付日の属する週の前4週間の取引日の当該取引 所における一日平均売買単位数の 25%

買付日の属する月の前6か月の当該取引所における月間 平均売買単位数の区分に応じて、規定される。

備 考

・ 基準数量の算定において例外的な場 合が考えられるが、規定の趣旨に鑑 み、投資単位の変更の場合には変更 前の売買単位数を変更比率等に応じ て修正換算するほか、他市場(他取 引所及び店頭市場)経由上場の場合 には、他市場における売買高も算出 対象とするといった取扱いとなる。

・ 主な媒体における個別銘柄売買高デ ータについては、各種新聞相場欄、 情報ベンダー、インターネット等で は 立 会 外 売 買 分 は 除 外 、「 東 証 統 計 月報」では立会外売買高が区分表示 されている。(なお、毎月各上場企業 に通知される月間の売買高通知にお けるデータは立会外売買分が合算さ れている。)

6月前 (4月)  5月前 (5月)

 4月前 (6月) 売買高合計  3月前 (7月) 6 か月  2月前 (8月)

 1月前 (9月) * 休日等は考慮せず  ● 買付日(10月3日)

 4週前 (9月3日週)

 3週前 (9月10日週)

売買高合計 19取引日  2週前 (9月17日週)

 1週前 (9月24日週)       ◆ 24日休日  ● 買付日 (10月3日)

月間平均売買単位数 買付可能注文数量 400単位以上

10売買単位 又は 一日平均売買 単位数の50%(3売買単位を下回 る場合は3売買単位)の少ない方 200単位以上

400単位未満

5売買単位 又は 一日平均売買 単位数の50%(3売買単位を下回 る場合は3売買単位)の少ない方 200単位未満 3売買単位

(9)

事前公表型のオークション市場における買付け 事前公表型の ToSTNeT- 2(終値取引)による買付け

時間 内容 備考 時間 内容 備考

前 日

大引け後 ▼ 買付内容の事前公開

・ 買付け方法(オークショ ン市場の寄付きから買い 委託)

・ 買付け注文の価格

・ 買付予定株数

・ 買付予定株数に相当する 売付注文があること、等

・ 今般の内閣府令により、 成行注文は禁止され、最終 売買価格以下の指値注文 に限定される。

大引け後 ▼ 買付内容の事前公開

・ 買付け方法(8 時 45 分の ToSTNeT- 2 における買い委 託)

・ 買付け注文の価格

・ 買付予定株数

・ 買付予定株数に相当する売 付注文があること、等

当 日

寄付き前

寄付き後 立会終了 後まで

▼ 買付け等の委託

・ 発行会社による買付けの 委託、株主による売付け の委託

▼ 取引成立

▼ 買付結果の公開

・ 今般の内閣府令により、 当日は原則として当該 方法に限定される

・ 事前公表の予定数量に満 たない場合、当該範囲内で 他の方法(ToSTNeT)によ る買付けが可能。その場 合、その旨を事前公開する こととする(現状の運用ど おり)。

8 時 20 分∼

8 時 45 分 8 時 45 分∼

▼ 買付け等の委託

・ 発行会社による買付けの委 託、株主による売付けの委託

(東証注文受付開始)

▼ 取引成立

▼ 買付結果の公開

・ 今般の内閣府令により、 当日は原則として当該 方法に限定される。

・ 事前公表の予定数量に満 たない場合、当該範囲内 で他の方法(オークショ ン市場)による買付けが 可能。その場合、その旨 を事前公開することとす る(現状の運用どおり)。

▼ 自己株式取得内閣府令第 7 条における「証券取引所が適当と認める方法」とは、「東証市場を利用した自己株式取得について」(平成 11 年1月 19 日東証株総 第 3 号)に掲げる、①事前公表型のオークション市場における買付け、②事前公表型の ToSTNeT- 2(終値取引)による買付けとし、以下の取扱いとなる。

事前公表型の自己株式取得の取扱いについて

参照

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